日本を代表する絶景「日本三景」。
それぞれ異なる美しさを持ち、多くの旅人を魅了してきました。
本記事では、
「日本三景ってどこにあるの?」
「日本三景はだれが決めたの?」
「見どころや絶景ポイントはどこ?」
といった疑問にお答えし、日本三景の魅力をたっぷりとご紹介します。
歴史や自然が織りなす、絶景を巡る旅に出かけてみませんか?
日本三景とは
日本三景とは、日本を代表する三つの絶景として広く知られている景勝地のことで、「松島」「天橋立」「宮島」を指しています。
「日本三大絶景」として紹介されることもありますが、「日本三景」と呼ぶのが一般的です。
■日本三景はどこにある?
松島 ・・・ 宮城県宮城郡松島町
天橋立 ・・ 京都府宮津市
宮島 ・・・ 広島県廿日市市
東北、関西、中国地方と分かれていますが、どこも海に面した立地で、牡蠣が美味しい場所という共通点があるとか。
■日本三景は誰が決めた?
儒学者・林春斎が「日本国事跡考」に記したことが始まりと言われています。
この書物の中では「三初奇観」と記されており、後に「日本三景」と呼ばれるようになりました。
林春斎の誕生日が7月21日なことから、この日は「日本三景の日」とされています。
日本三景:松島
松島は宮城県北東部の松島湾内外に浮かぶ約260の島々の総称で、長い歴史が作り出した自然美を望むことができるスポットです。
■ 松島の絶景ポイント:松島四大観
松島を異なった視点でみられる「松島四大観(まつしましだいかん)」と呼ばれる展望スポット。
それぞれ「壮観」「麗観」「偉観」「幽観」という名称で呼ばれています。
色々な視点で松島の絶景を楽しみたい方はぜひ訪れてみてくださいね。
「壮観」 大高森(おおたかもり)

東側にある山頂から「壮観」の別称に相応しい眺めを見られるスポットです。約20分で登頂できる山頂にある展望台からは、360度の大パノラマを楽しめます。東は嵯峨渓、西から南にかけては松島湾と海に浮かぶ島々が一望でき、北は石巻市街地までを遠望できます。
住所 | 〒981-0412 宮城県東松島市宮戸 |
アクセス | JR仙石線「野蒜駅」より車で約10分 |
駐車場 | あり(無料) |
「麗観」 富山(とみやま)

標高116mほどで、四大観の中では最も標高が高く、松島湾の全景を正面から一望できる景勝地です。山頂には大仰寺があり、そのお庭から静寂な趣の中で松島を堪能できます。
住所 | 〒981-0211 宮城県宮城郡松島町手樽三浦 |
アクセス | JR仙石線「陸前富山駅」より車で約5分 |
駐車場 | あり(無料) |
「偉観」多聞山(たもんざん)

七ヶ浜町にある標高56mほどの低山で、約10分で登頂できます。松島海岸の遠景や金華三、塩釜港に出入りする大小の船舶の往来も楽しめますよ。
住所 | 〒985-0801 宮城県宮城郡七ヶ浜町代ヶ崎浜八ヶ森 |
アクセス | JR仙石線「多賀城駅」より車で約20分 |
駐車場 | あり(無料) |
「幽観」扇谷(おうぎだに)

標高56mの低山で、松島湾の入り江が扇のように見えることから、扇谷と呼ばれるようになりました。
最寄りのJR松島海岸駅から登山口までは車でおよそ5分、駐車場から山頂まで約3分と比較的アクセスしやすい景勝地です。
住所 | 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島桜岡入 |
アクセス | JR仙石線「松島海岸駅」より車で約5分 |
駐車場 | あり(無料) |
■ 歴史・文化豆知識/松島と松尾芭蕉
松尾芭蕉が訪れた際に、あまりの美しさに感動し、句を詠めなかったという逸話があります。
よく勘違いされているのですが、有名な「松島や ああ松島や 松島や」という句は実は松尾芭蕉作ではなく、相模(神奈川県)の田原坊の作だそうですよ。(文政三年「松島(嶋)図誌」)
奥のほそ道には掲載されていませんが、松尾芭蕉は松島で「島々や千々にくだきて夏の海」という句を詠んでいます。
■ 周辺のおすすめ観光スポット
松島三大橋巡り:悪縁を断ち切る『渡月橋』

松尾芭蕉が『おくのほそ道』の文中で最初に訪れたと記している、雄島まで渡ることができる橋です。
朱塗りの渡月橋はかつて僧たちが雄島に入る際に、陸地の俗世との縁を切ったことから「悪縁を断つ橋」(縁切り橋)とも呼ばれています。
住所 | 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島浪打浜24 |
アクセス | JR仙石線「松島海岸駅」より徒歩約6分 |
駐車場 | あり(無料) |
松島三大橋巡り:出会いを引き寄せる『福浦橋』

松島海岸と福浦島を結ぶ、全長252mの朱色の橋で約7分程で渡りきることができます。
橋を渡ると素敵な出会いが訪れるといういわれがあることから「出会い橋」とも呼ばれ、良縁のパワースポットとなっています。
住所 | 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島字仙随39-1 |
アクセス | JR仙石線「松島海岸駅」より徒歩約15分 |
駐車場 | なし(近隣に有料駐車場あり) |
料金 | 大人:200円/子供:100円 |
営業時間 | 8:30~17:00(3月~10月) 8:30~16:30(11月~2月) |
松島三大橋巡り:良縁を結ぶ『透かし橋』

松島のシンボル的存在の「五大堂」に渡るための橋で、福浦橋から徒歩12分程の場所にあります。
五大堂は東北最古の桃山建築のお堂で、海に突き出すようにある小さな島に建てられています。
透かし橋は、橋桁の間が空いていて足元から海面を覗きみることができます。
「床板の隙間から透かすように先をみる」とかけ合わせ、将来を見据えて縁を結ぶといわれています。
住所 | 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島字町内111 |
アクセス | JR仙石線「松島海岸駅」より徒歩約7分 |
駐車場 | あり(無料) |
『円通院』で良縁祈願

五大堂から徒歩約5分の場所にある円通院もおすすめ。
恋愛だけでなく、受験や就職など、様々なご縁をとりもつ「縁結び観音」に祈願し、縁結びこけしに願いを込めて奉納するときっと実を結ぶでしょう。
「三慧殿」の厨⼦には日本最古の「洋バラ」が描かれ、支倉常長が持ち帰った西洋文化と、伊達家の文化が融合している庭園や建造物が見どころです。
天野明道住職が院内に色とりどりのバラを植え込んで開放したことから「バラ寺」としても親しまれてきました。
現在は、苔寺としても親しまれています。
住所 | 〒981-0213 宮城県松島町松島字町内67 |
アクセス | JR仙石線「松島海岸駅」より徒歩約5分 |
駐車場 | なし(近隣に駐車場あり) |
拝観料 | 大人:500円/子供:300円 |
営業時間 | 9:00~16:00(4月〜11月) 9:00~15:30(12月〜3月) |
日本三景:天橋立

天橋立は京都府北部、日本海の宮津湾にあります。
長い時間をかけて砂が堆積した全長約3.6㎞の砂州に、約6,700本もの松が生い茂る珍しい地形をしています。
展望台からの景色はまさに絶景で、その姿は天へ昇る龍に例えられているとか。
天橋立を歩いて渡ると片道約50分、自転車で約20分です。
■ 天橋立の絶景ポイント:天橋立五大観
天橋立にも、様々な景観を楽しめる絶景ポイント「天橋立五大観(あまのはしだてごだいかん)」があります。
天平観(てんぴょうかん)

天平観と呼ばれる眺望は、2020年に新たに加わり四大観から五大観といわれるようになりました。
京都府立丹後郷土資料館のすぐ前にあり、天橋立を端から端まで見渡せる大パノラマが魅力のスポットです。
住所 | 〒629-2234 京都府宮津市国分 |
アクセス | 「天橋立駅」からバスで「丹後郷土資料館」下車 |
駐車場 | あり(無料) |
昇龍観(しょうりゅうかん)

北から南を観た眺望で、股のぞきをすると龍が天へ昇るように見えることから縁起のいい眺めとして親しまれてきたスポットです。
「股のぞき」発祥の地と言われる傘松公園があり、「股のぞき観」とも言われています。
名称 | 傘松公園 |
住所 | 〒629-2242 京都府宮津市大垣75 |
アクセス | 「天橋立駅」からバスで「傘松ケーブル下」下車 |
駐車場 | なし(近隣駐車場はあり) |
ケーブルカー料金 | 大人:往復800円/子供:往復400円 |
営業時間 | 9:00~18:00(季節により異なる) |
飛龍観(ひりゅうかん)

南から北を見た眺望で、ここから「股のぞき」をした時の眺めが、天に舞う龍のように見えるスポットです。
文珠山山頂にある展望遊園地・天橋立ビューランドには、7つの股のぞき台があり、龍が天に舞い上がる眺望を楽しむことができます。
名称 | 天橋立ビューランド |
住所 | 〒626-0001 京都府宮津市文珠437 |
アクセス | 「天橋立駅」から徒歩5分 |
駐車場 | あり(有料) |
入園料 | 大人:1,000円/子供:500円 (リフト・モノレール含む) |
営業時間 | 8:30~18:00(期間により異なる) |
雪舟観(せっしゅうかん)

獅子崎稲荷神社を登っていくと「天橋立雪舟観展望休憩所」があり、水墨画で有名な雪舟が描いた「天橋立図」と構図が似ていることから「雪舟観」と呼ばれているスポットです。
獅子崎稲荷神社は5月上旬〜下旬にミツバツツジが満開に咲きフォトジェニックな世界が広がることでも有名です。
名称 | 獅子崎稲荷神社 |
住所 | 〒626-0065 京都府宮津市字獅子崎 |
アクセス | 宮津駅からバスで獅子崎下車 |
駐車場 | あり(かなり狭い) |
一字観(いちじかん)

与謝野町立公園からの眺めは若狭湾が一望でき、天まで続く橋のように横位置文字に眺められるスポットです。
ここではキャンプやバーベキュー、パノラマコテージがあり、アウトドアも楽しむことができます。
名称 | 大内峠一字観公園 |
住所 | 〒629-2263 京都府与謝郡与謝野町字弓木坂尻3211 |
アクセス | 天橋立駅からバスで弓木下車 |
駐車場 | あり(無料) |
■ 周辺のおすすめ観光スポット
電動で90度旋回する『廻旋橋』

日本で数少ない旋回式可動橋で、天橋立と智恩寺側の陸地を結んでいます。
旋昭和35年から電動式に変わりましたが、それ以前は手動で旋回していたそうです。
旋回するのは通航時だけなので時間は不定期ですが、1日50回も旋回することもあるそうです。
名称 | 廻旋橋 |
住所 | 〒626-0001 京都府宮津市文珠47 |
アクセス | 天橋立駅から徒歩約5分 |
駐車場 | なし(周辺に有料駐車場あり) |
橋が回る時間 | ・大型船通行時(不定期) ・観光船通行時(毎朝9時55分頃) ・日曜11時~15時の間、1時間に1回 ※業務の関係で前後する場合あり |
『智恩寺』で扇子おみくじ

「三人寄れば文殊の智恵」で知られる文殊菩薩がご本尊のお寺です。
智恵の文殊様として有名で、学業成就や資格試験合格、商売繁盛のご利益があります。
「すえひろ扇子おみくじ」という扇を広げると吉凶が占えるおみくじや、江戸時代に航海の安全のために建てられた「知恵の輪」など見どころがたくさんあります。
境内には猫が8匹暮らしており、参拝客に癒しを与えてくれますよ。
名称 | 智恩寺 |
住所 | 〒626-0001 京都府宮津市文珠466 |
アクセス | 天橋立駅から徒歩約5分 |
駐車場 | あり(約100台/1日700円) |
営業時間 | 本堂売場/8:00~17:00 |
三社巡りで恋愛成就!『天橋立神社(橋立明神)』

天橋立の中にひっそりと佇む神社。
三社巡りと言われる「元伊勢籠神社」「眞名井神社」とあわせて三社参拝すると恋愛成就するパワースポットとして人気です。
周りが海に囲まれているのに真水が湧く不思議な井戸があり、手水として利用されています。
名称 | 天橋立神社(橋立明神) |
住所 | 〒626-0001 京都府宮津市文珠643-1 |
アクセス | 天橋立駅から徒歩約15分 |
駐車場 | なし(周辺に有料駐車場あり) |
お伊勢さんのふるさと『元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)』

元伊勢籠神社は、伊勢神宮と深い関わりを持つ由緒ある神社です。
伊勢神宮に祀られている天照大神(あまてらすおおみかみ)や豊受大神(とようけのおおかみ)が、かつてこの地に祀られていたとされ、「元伊勢」と呼ばれています。
現在は彦火明命(ひこほあかりのみこと)を主祭神とし、格式の高い「丹後一宮」として信仰を集めています。
本殿の造りは伊勢神宮と同じ「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」で、貴重な文化財とされています。
名称 | 丹後一宮 元伊勢 籠神社 |
住所 | 〒629-2242 京都府宮津市字大垣430 |
アクセス | 天橋立駅からバスで元伊勢籠神社前下車 |
駐車場 | あり(1日700円/30分以内は無料) |
開閉門時間 | 7:30~17:00(2月~11月) 7:30~16:30(12月~1月) |
日本三景:宮島

安芸の宮島(あきのみやじま)、通称宮島は広島県廿日市市に位置し、瀬戸内海に浮かぶ周囲約30kmの小さな島です。
安芸(阿岐)は「古事記」にも登場する古い地名で、宮島は「お宮のある島」の意味です。
宮島へは、宮島口桟橋からフェリーで約10分で行くことができます。
■ 宮島の絶景ポイント
嚴島神社

言わずと知れた厳島神社は全国に約500社ある厳島神社の総本社で、1996年12月にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
「神を斎(いつ)き祀(まつ)る島」が名前の由来となっており、1400年以上の長い歴史を持ちます。
海に浮かぶ大鳥居の景観はまさに絶景!
回廊内にも写真映えするポイントがたくさんあります。
映えている写真を撮りたい場合は満潮時がおすすめです。
名称 | 厳島神社 |
住所 | 〒739-0588 広島県廿日市市宮島町1-1 |
アクセス | 宮島口桟橋より徒歩約30分 |
駐車場 | なし |
拝観時間 | 6:30~18:30(時期により変動あり) |
拝観料 | 大人:300円/子供:100円 |
弥山(みせん)展望台

厳島神社の背景に広がる最高峰標高約535メートルの霊峰が「弥山(みせん)」です。
2015年には「弥山展望台からの眺望」がミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにて、三ツ星を獲得。
初代内閣総理大臣の伊藤博文は弥山頂上からの眺めを「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と称し、何度も訪れたそうですよ。
2014年にリニューアルした展望台では、ゆっくりと景色を眺めることが出来ます。
登山道も整備されていますが、体力に不安のある方はロープウェイでサクッと登ってください。
名称 | 弥山展望台 |
住所 | 〒739-0588 広島県廿日市市宮島町 |
アクセス | ロープウェー獅子岩駅より徒歩30分 |
駐車場 | なし |
利用時間 | 10:00~16:00(トイレは24時間利用可) |
ロープウェー営業時間 | 9:00~16:00(下り最終時間は16:30) |
■ 周辺のおすすめ観光スポット
宮島弥山 大本山 大聖院

1200年の歴史を持つ真言宗御室派の大本山で、宮島の霊峰・弥山(みせん)の麓にあります。
かつては宮島全体を管理する役割を担っており、弘法大師(空海)も修行したと言われています。
弥山(みせん)自体も信仰の山であり、島内随一のパワースポットとして有名です。
霊火堂の「消えずの火」(1200年以上燃え続けている火)など神秘的な見どころも満載。
名称 | 宮島弥山 大本山 大聖院 |
住所 | 〒739-0592 広島県廿日市市宮島町210 |
アクセス | 宮島口桟橋より徒歩約30分 |
駐車場 | あり(境内に数台のみ) |
開門時間 | 8:00~17:00 |
厳島神社:五重塔

1407年(室町時代)に建立された重要文化財です。
高さは約27.6メートルあり、鮮やかな朱色の外観が特徴的です。
塔の建築様式には、伝統的な和様と禅宗様(唐様)が融合しており、優美な意匠が施されています。
厳島神社の背後に位置し、瀬戸内海を望むことができるため、宮島の景観を彩る象徴的な存在となっています。
※2025年4月現在、修復作業のため見ることが出来ません。工事は2026年12月までの予定です。
豊国神社(千畳閣)

豊臣秀吉が戦没者を弔うために建立を命じた大経堂(仏堂)でしたが、秀吉の死後、工事は中断され未完成のままとなりました。
そのため天井が張られておらず、柱や梁がむき出しになっている独特の外観を持っています。
「千畳閣」という通称は、その広大な床面積(約857畳分)に由来しており、実際に訪れるとその開放感と壮大さに圧倒されます。
桃山時代の文化や秀吉の権勢が感じられる木造建築物であり、国の重要文化財に指定されています。
名称 | 豊国神社 |
住所 | 〒739-0588 広島県廿日市市宮島町1-1 |
アクセス | 宮島口桟橋より徒歩約15分 |
駐車場 | なし |
拝観時間 | 8:30~16:30 |
まとめ/日本三景で働くならリゾートバイト
日本三景は、ただの絶景ではありません。
美しい風景の裏には、長い歴史や文化、そして地域の人々の想いがあります。
松島、天橋立、宮島、それぞれの地に足を運び、自分だけの景色や感動を見つけてみてください!
そして、「もっと長くここにいたい」「地元の暮らしを体験してみたい」と感じたら、リゾートバイトという選択肢もあります。
ワクトリなら、観光地で働きながら旅するように暮らせる仕事がたくさん!
絶景のそばで、特別な毎日をスタートさせてみませんか?